9マイルは遠いんだから

なんかの感想

ルパパト49

さて、ここで問題です。

明光院ゲイツは貯めた秋山蓮ポイントで城戸真司をファイナルベントしました、が、朝加圭一郎は朝加圭一郎ポイントを貯めて何をするでしょうか?

 

 

 

 

 

アンサーチェック!
A.魁利の救済

 

 

 

1話再現が嫌いなオタクという人種に未だ会ったことがないんですけど、1話は、というか1話5話6話10話25話30話34話37話……全ての朝加圭一郎と魁利の回はこの49話のためにあったのだと確信しました。香村純子ありがとう。その言葉しか言えない。

 

「圭ちゃんが俺に会いたいんじゃないかと思って」
圭ちゃんが自分を見つけられなくて最終的に座るだろう場所に白昼堂々居座る魁利くん。
自分が会いたかったことを表面だけ隠して、でも隠しきれていない。
不敵に笑おうとしてるのに泣きそうな顔が辛いです。舞台が真昼間なのに魁利くんだけずっと夜を歩いてる。
ルパレッドに妙な信頼を寄せられていることに気がついていて、それが魁利だとわかってしっくり来るの、そういうとこだよ朝加圭一郎!鈍感ではないのだ。
魁利の激昂に乗せられることもなく、友人の苦しみに気がつくことができなかった自分が不甲斐ないと自責を募らせる圭一郎に魁利は何も言えなくなってしまう。真っ直ぐ、魁利の目を見て泣く朝加圭一郎に対して、帽子で隠してしまう魁利。多分ここで魁利は自己満足のために叱られようとしていたのだと自覚したんじゃないかな……朝加圭一郎に会って、自分のことを真に思ってくれるからこその叱責を受けて、それでさよならをする決意を固めたかった。けど、責めてすらもらえなかった。

 

 

 


で、傷メイクの魁利くん。
悲壮な顔が似合いすぎる。無理……すき……香村レッドは怪我が似合う。魁利くんいつも怪我して胴体に包帯巻いている気がします。

そしてザミーゴを探し始める魁利と、それを追う朝加圭一郎。魁利の華麗なワイヤーアクションの筈なのにどうしても泥臭い。朝加圭一郎も泥臭い。途中で挿入される唸り声がどっちのものかわからなくなって、普通なら朝加圭一郎だなと思うのに、今回ばかりは魁利の濁点なのではと直感で理解した。
そして、いつも夜野魁利を見つけ出すのは朝加圭一郎なんですよね。怪我と疲労で今にも倒れそうな魁利を支える。
でもほらすぐ魁利くん目を逸らす〜!!!!
兄に仲間、圭ちゃんからの信頼を全て失ったと思っている魁利に「俺がいる」と言い切る度量の深さよ。
苦しんでいる人を助ける、という圭ちゃんが警察である理由を聞く魁利の顔が今世紀最大に心苦しいです。
一緒に戦うと言われて、警察まで自分のために辞めると言われて、以前の魁利じゃ絶対に朝加圭一郎の言葉を信じられなかったと思う。けど、この一年が魁利から朝加圭一郎への信頼を育んだことで胸にすとんと落ちるように受け入れることができた。
30話で、自分のことを肯定してくれる朝加圭一郎の言葉を素直に受け取れなかった魁利からは考えられないほどの成長。
でも、街の破壊音を聞いてどうしても朝加圭一郎は反応してしまう。根っからの市民優先思考。
そこに魁利は漸く朝加圭一郎や兄と自分は違うと理解したんじゃないかな。
朝加圭一郎は助けを待つ人々のヒーローで、自分は兄一人のためのヒーローであり、絶対的に違う。二人はもう一人にはなれない。
30話から(なんどもこの話してる)兄が自分より迷子の子供を優先したこと、朝加圭一郎が自分との決着より無辜の市民の救助を優先したことにもやもやとしたものを抱え込んできた魁利ですが、最後の最後で守ってもらいたい側から自分の大切なものは自分で守る大人になれた。
魁利の年齢が作中で19歳から20歳になるのいいよね……
町を見る圭一郎の背中で、幸せそうに笑う魁利が儚すぎる。
朝加圭一郎が朝加圭一郎であるだけで視聴者は嬉しくなっちゃうけど、魁利もきっと同じなんだよ。警察であることというある意味朝加圭一郎が朝加圭一郎であることを捻じ曲げてまで一緒に戦ってくれる朝加圭一郎が、無辜の市民を優先するという朝加圭一郎をしている。それだけで魁利は嬉しくなってしまうんだよ。
自分の好きな人はこんなにも素敵なんだっていう誇らしい気持ちが伝わってくるしちょっと泣いた。
だから背中を押して、熱血おまわりさんと言う。朝加圭一郎は自分だけの「圭ちゃん」ではなく、みんなの「おまわりさん」だから。


ここまで書いて、やっぱりルパパトは魁利の物語なんだと実感しました。
魁利視点で進んでいくから、魁利にとってのヒーロー、憧れ、大好きな人である朝加圭一郎のこの上ない善性がより強く輝いて見える。
夜明け前がいつも暗くて、だから朝日が輝くのだ。